売り出し方の失敗談⑤【完】
2022/12/02
≪昨日の続き≫
結果を書くと、
高めの価格で出した、会社の近くの新築は、3区画あったのですが、
いずれもすぐに買い手が付きました。いずれも買付が2本は入っていたと思います。
3本目が入ったという区画もありました。
完成するまでに、すべて契約済みになっていたと思います。
・まだ建ってない中で
・相場より高い価格で
という条件のなかで、その結果は生み出されました。
方法は、ネット広告一本。
建物がまだ建っていない状態での広告活動なので、
・完成後のイメージパース
・似たような建売住宅の内観をイメージ図として写真で載せる
というものでしたが、スーモの特別枠は、写真の大きさやコメントの入れられるスペースなど
やはり広告の会社だけあって考えられたもので、担当者の思惑ともマッチしていたように思います。
「強気なスタンスを見せて、物件を魅力的に見せる」
彼は戦略で勝ちました。
一方、神戸の北の新築の方はというと、
なかなか売れない状態が続きました。
ポータルサイトにたくさん出まくっている状態は、
会社内で、「出涸らし」と表現されるまでになりました。
情報が新しくはない、魅力的でもない、
集客力もないし客付業者もあえてお客さんを付けようとは思わない、
ということです。
要は、「飽きられてしまった物件」になってしまったのです。
結局、1年くらいかかって、かなりの値段交渉をこちらが受け入れる形で、
売却を終えました。
2つの事例をあげましたが、
なんとなく、不動産というものにおいての広告戦略の果たす役割みたいなものをイメージできたでしょうか。
もちろん、見せ方ではどうにもならない
・エリアの流通性
・建物の外観、意匠(デザイン)、設備の性能(←左記のいずれも打ち合わせ段階で予算内であればどうにでもなります)
・価格(この値段で仕入れてしまったから、事業性を持つためには最低この値段では売らねばならないという基準)
などいくつも制約がありますが、それらは、広告戦略で乗り越えられる部分なのかもしれない、と感じた出来事です。
もちろん、北の郊外の新築は、もう一方のエリアよりマーケットの流通性がゆっくりではありましたので、
私のとった方法が結果のすべての責というわけでもないとは思います。
これをいうと、伝えたいことの軸がぶれてしまいますが、
同じように私がリーダーとして関与した物件で、
レインズに自社でいきなり登録した別の物件(郊外、駅1分)が、
月曜日に登録して、その土日に3本買付を得たこともありました。
なので、その方法でうまくいったこともあるのです。
ただその場合、「方法」というより、「物件」自体の力ということなのかもしれません。
・物件が明らかに安かったり
・ニーズが明らかに高かったりする物件
はどんなやり方でも売れると思います。
本当に一瞬で売れてしまうようなニーズの高い物件はあります。
※こういう物件は、あまり考えられていない広告手法でも簡単に売れます。
・ただ、値段的に特に安くもない、というか高い
・エリア的に流通性が高いわけではない
という場合は、どうやって広告で、「見せ方」をよくするか。
「その価格の価値がある」ということをどうやって見せるか。
変な言い方ですが、10万円の広告費を捻出して、200万円高く売るイメージです。
一縷の望みを託すような感じで、そこを考え抜くべきだな、という学びを得ました。
何が正解だったのかをいうのは難しいです。物件によってよりけりです。
物件に合った広告手法はあります。
ただ、あの物件に関しては、
・客付の営業力という点で信頼できる、その物件がある地元の仲介業者に窓口を絞って販売する
・ポータルサイトでの数をしっかりと管理をする(できればひとつか二つにする)
などをしていれば、より良い結果がでていたようには思います。
私が、不動産販売における広告手法についてしっかり考えるようになった出来事でした。
【完】
----------------------------------------------------------------------
あべのハウジング 株式会社だいなも
〒545-0052
大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-5-1 あべのルシアス1階
電話番号 : 06-6643-6550
----------------------------------------------------------------------